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5G開発と生産:5G製品を検討する際に知っておきたい3つの重要な事柄

2020年2⽉13⽇
SierraWireless(シエラ ワイヤレス)

SierraWireless(シエラ ワイヤレス)

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5Gセルラーの標準(技術)は,以前のセルラー通信と比較してよりハイスピード,より大容量,かつより低遅延を約束するものであり,3D/8K高解像度ビデオストリーミングからAR(拡張現実),VR(仮想現実)や自動運転にわたる革新的なアプリケーションの実現を可能とする。クアルコム社によると,2035年までに,それは,農業,公衆安全,製造業などの広範囲にわたる産業領域において12.3兆米ドルに及ぶ製品やサービスの価値を下支えするとのことである。

5G開発,生産、活用を検討している5G OEMs (相手先商標製品の製造会社)にとって絶好の機会が待ち構えている。しかしながら,素晴らしい新世界に飛び込む前に,OEMの経営意思決定者-製品マネジャー,プロジェクトマネジャーやその他の経営者の方々は,ビジネスを一変させるであろう5G 技術を利用した新しい製品の戦略を練る際,5G開発,製品計画に関する3つの重要な事項を理解する必要がある。

3つの5G 技術バリエーション

経営意思決定者が5G開発,製品企画を開始する際に,最初であり最も重要である事項は5G 技術が単に“一つのもの”では無いということである。関連するものではあるが実は3つの異なるテクノロジー,5G LPWA,5G NR Sub-6,それから5G NR mmWave がである。これら3種の5G技術をさらに詳しく紐解いていくことにする。

まず, 5G LPWAから見てみよう。これはセンサーや低回線容量, 低パワー監視アプリケーションが主な用途であり, 5G LPWA (Low Power Wide Area) はLTE-MとNB-IoTを含む4Gで使われているLPWAの技術の拡張発展版である。5G LPWAの主要な便益には, IoT(もののインターネット)に関する広域受信範囲, より高いデバイス密度, それから長寿命バッテリ (デバイス) と解釈し得る削減された消費電力を含むものである。 すでにLTE-MもしくはNB-IoTを利用されているお客様にとっては, 簡便なファームウェアのアップグレードによって5G LPWAへの移行が実現可能である。新しいセルラー技術へのシームレス移行の達成に新しいハードウェアは必要ないのである。

2番目の5Gバリエーション,5G NR Sub-6は,NR (New Radio)テクノロジーを使っており,4Gと比較して多くの性能改善が提供される。例えば,クアルコム社SDX55チップセット搭載の5G NR sub-6デバイスでは,実使用条件で5Gbps (ギガバイト/秒)に近いデータ転送スピードが実現できる。それは,同条件下での4G LTEにおいて最大スピードである約2.5 Gbpsを誇る同チップセットを搭載した4G LTEデバイスの倍のスピードである。

5G NR Sub-6には幾つか新しい5G NR専用のハードウェア (比較的新しい4Gハードウェアでは4Gと5G NR Sub-6両方をサポート可能であるものが有る) が必要になるかもしれない。そうではあるが、 5G NR Sub-6で使用される周波数とその対応アンテナ設計においては4G LTEとかなりの範囲で重複するものである。 したがって、4G LTEから5G NR Sub-6へと全世界レベルでの移行をご検討されている5Gのお客様にとってかなりハードルが低いものとなる。 5G NR Sub-6への移行を検討されている方々は、 使い勝手が良くより高い性能を最終ゴールとしている。

3つ目のバリエーション,5G NR mmWaveは,5G NR Sub-6と同様にNR (New Radio)テクノロジーに準拠している。しかし,その類似性はそれに留まる。

5G NR mmWaveは旧世代セルラーからかなり発展しており、 5G技術に関わるほとんど多くの素晴らしい性能向上はこのテクノロジーに宿る。 5G NR mmWaveは最近開設されたミリメーターウェーブ帯域(ちなんだ名称mmWave)、 24GHzから40GHz、 で動作する。この新しい帯域で動作することにより格段に遅延を削減し、 アプリケーション応答を向上する。同時に、 データ転送スピードを200Gpsかそれ以上へと高める。 それは、 5G NR Sub-6の最大理論データ転送スピードである70Gbpsの2倍以上のスピードである。 さらにより高いデータ容量を提供することでより多くのユーザー(デバイス)が接続できるようになり、 同時にエクスペリエンスを確保しつつ、オンライン環境の高品質享受が可能である。

真に変革し得る新しいIoTアプリケーション、 つまり、 実体験を感じるようなARやVRエクスペリエンス、 コネクテッドスマートシティーの基幹施設、 それから究極的には自動運転自動車にまでを実現可能とする技術はしうるのはこれらの機能である。 このセルラーテクノロジーの優位点が多くある一方、 5G NR mmWaveは、 経営意思決定者と設計チームが心に留めておくべき新しい設計検討を要求することになる。 次のセクションでこれを詳しく見ていくことにする。

NR mmWaveはちょっと異星人

これは,5G開発,製品を企画する際に知っておきたい2番目に重要な事項である:5G NR mmWaveは,他の5Gバリエーションと比較して,対処しておくべき特有の要件がある。そう,担当5G 開発生産チームが一週間内で製品を5G NR mmWaveにアップグレードしてくると期待してはいけない,それほど簡単ではないのである。実際,3Gから4Gへの移行より4Gから5G mmWaveへの移行の方が非常に複雑であることを知らされることになる。

例えば,5G NR mmWaveが提供する高スピード性能はかなりの熱を発生し,この高スピード機能を有するデバイスの熱設計において特別な配慮を要求するものである。同様に,ハイスピード動作の為に必要な電源供給の為,異なる電源構成が必要となってくる。

5G NR mmWaveに関する他の検討事項は、 アンテナと接続ポートに集中している。 5G NR mmWaveアンテナで利用される比較的高い周波数は、 システム中の他の電子機器から発せられるノイズの影響を受けやすい。したがって、 設計時や製造時にアンテナ送信を最適化するため特別な校正作業が必要になる。

5G OEM経営意思決定者が目配りしておくべきもう一つの因子は,5G NR mmWave製品に利用されるインターフェース部である。USB3が多くの4G LTEシステムで広く使われている一方,よりハイスピード,高安定性,さらに信頼できる信号を提供するmmWaveではPCIe(PCI Express)インターフェースがより優れている。誤ったインターフェスの選択によって5G NR mmWave製品性能を制限しかねないのである。

5G NR mmWaveの認証プロセスは,5G OEM経営意思決定者が挑戦しなくてはならないもう一つの事項である。5G NR mmWaveはまだ進化中であり,特定の認証要件などの入手が常に簡単にいくわけではなく,キャリアー毎に大きく異なる場合がある,これらがその理由だ。

つまり、異なるセルラーテクノロジーから5G NR mmWaveへとアップグレードするお客様においては、 その特有な要求事項を満たすため大きく製品設計をやり直す必要が出てくる。 5G OEM経営意思決定者はそれに対応すべく確実に計画する必要がある。

セキュリティーを忘るべからず

次の製品で5G技術の適用を検討されている5G OEM経営意思決定者が知っておくべき3番目の事項は,セキュリティーは後からの思い付きにはなり得ないことである。万が一,セキュリティーが5G開発,製品企画プロセスの部分中心になっていない場合,そうする必要がある。

セルラー無線テクノロジーに備わっているセキュリティーテクノロジーにもかかわらず,ネットワーク全域により多くのデータを伝送し,また飛躍的により多くのデバイスをオンライン化する5G 技術には,以前を大幅に上回るデータ侵害によって慎重に扱うべきデータを盗まれるリスクが伴うものである。

この付加されたリスクは,経営意思決定者にとって,これらの新しい脆弱性に精通し堅牢な発展したセキュリティープランの導入をお手伝いできる信頼できる無線テクノロジー提供者との協業がいかに重要であるかを開眼させるものである。結局,今日の世界では,データが会社の最重要資産の一つであり,それは適宜保護されてしかるべきである。

5G開発,製品企画は必ずしも難しいものではない

上記を踏まえていただけば,5G OEM経営意思決定者は,どこから5G開発,製品企画を始めるかそしてどのように進めるのがベストかに関して途方に暮れるといったことから解放される。

幸い弊社、シエラワイヤレス ( Sierra Wireless) が、 前へ進む方法を提供させていただいている。 IoT先駆者として、 我々、シエラワイヤレス ( Sierra Wireless)は、 コネクテッド経済圏の転換や発展への十分なビジネスと産業経験を有している。 異なる5G技術のバリエーションを常に掌握しているため、 そして、 5G NR mmWaveの要求事項に準拠することを可能とするため、 標準機関、 ネットワークオペレータ、 シリコン製品提供者、 その他の5G技術の中心に位置する関係者と密に協業している。 実際のハードウェアでプロジェクトを始める前にエンジニアの手間を省くため、 我々のすべての5G NR mmWave通信モジュールの熱モデルの詳細を提供することから、 アンテナの校正を含む技術支援の提供まで、 幾つかの方法でこれを実現している。 同様に、 我々は5G OEM経営意思決定者の5Gセキュリティー懸念に対する対処のお手伝いが可能である。

5G動作で追加された性能や機能そしてリスクを反映するため、 ハードウェアモジュールに限らず、 我々のすべての面での解決策をアップデートしてきており、 多層セキュリティーとともに多分岐防御アプローチを採用している。 これは、 5G製品の迅速堅牢開発を意味し、 予定通りかつ予算通りに製品を市場に送り出すということである。

適切なパートナーを選択することは、 5G OEM経営意思決定者自身の準備が整い、 担当チームが5G製品の開発に伴う様々な挑戦に対処するため、5Gソリューション関連の急成長市場における競争に打ち勝つための強力で有利なスタートを与えてくれるものである。

お問合せフォームとホワイトペーパー: 次製品5G通信技術の利点と規格、 5G OEMをご検討の方へをダウンロードして、 どの5G技術バリエーションが貴社のビジネスケースに最適であるか、 5Gデバイスとデータの防御の秘訣を学ぼう。

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